石井孝8:『戊辰戦争論』。なぜ薩摩藩や長州藩は「強国」になることができたのか?
石井孝氏の著書『戊辰戦争論』を読みはじめた。
「戊辰戦争」というと、鳥羽・伏見に始まる新政府軍と旧幕府軍との戦争、ということになるが、この書では、「江戸開城」「徳川氏処分」までに、およそ半分のページが割かれている。
いわゆる「戊辰戦争」以前の話がこの大部の本の半分を占めている。
今回読んだのはわずかだが、「薩摩藩の割拠政策」や「長州藩の割拠政策」などが面白かった。
薩摩や長州の「割拠政策」というのは、「一藩絶対主義」、ようは一つの藩内で、富国強兵を目指す政策で、官僚組織と常備軍を創設する。これは身分によらない人事によって可能になる。
航海技術を身に付けた勝海舟の門人たちを、海舟は軍艦奉行を罷免されて養えなくなったが、その門人たちが薩摩藩の貿易(密貿易を含む)に従事した。長州藩は下関における貿易を幕府によって監視されるようになり、薩摩藩に軍事物資の輸入その他、貿易で協力してもらった。
長州の人物の生没年を調べてみた。
高杉晋作 1839~1867
桂小五郎(木戸)1833~1877
伊藤俊輔(博文)1841~1909
井上聞多(馨)1836~1915
第一章「戊辰戦争前史」の目次(第三節まで)
第一節 薩長両藩の自立態勢
一 「西南辺境型領国」説
二 薩摩藩の割拠政策
三 長州藩の割拠政策と国際情勢
第二節 倒幕勢力の結成
一 薩長両藩の接近
二 薩長同盟の成立
三 倒幕勢力の政権構想
第三節 大君制絶対主義をめざす幕府
一 ロッシュの対幕府軍事援助
二 フランス経済使節の渡来
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