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『ドストエフスキーの幾何学』(柄谷行人著『言葉と悲劇』所収)

今回は、「ドストエフスキー幾何学」を始めから終わりまで読んだ。

ドストエフスキー論」なのかと言うと、素直に「そうだ」とは言えないものがある。

 

なぜこの講演のタイトルに、数学用語の「幾何学」なるものが含まれているのか。

それは、もちろん全体の趣旨に深く関わる。

ユークリッド幾何学」(平行線は交わらない)というものがあるわけだが、ちょうどドストエフスキーが小説を書いていた頃(19世紀後半)、ロシアの数学者が、「非ユークリッド幾何学」(平行線は交わる)を主張した。

ドストエフスキーはこの新しい「非ユークリッド幾何学」に鋭く反応した、という。

 

純化してしまえば、

ノローグ=ユークリッド幾何学

ダイアローグ=非ユークリッド幾何学

 

ドストエフスキー幾何学は、後者です。

ダイアローグ的であり、非ユークリッド幾何学的である、と。

 

ノローグ=自己との対話、ダイアローグ=他者との対話、と一応言えるのだが、「他者」にしろ、「対話」にしろ、意味合いが込み入っている。

 

普通、たんに人と話をしていればそれは「対話」ということになるが、ここで言われている「対話」はそういうものではない。

一般的に言っても、価値観なり規則なりを共有している者同士の対話は、自己との対話に近い感じがすると思う。

一方、そういったものを共有していない、子どもや外国人との対話になると、自己との対話どころではない。対話が成立するかどうかわからないし、骨が折れる、不可能かもしれない。これを「他者との対話」=ダイアローグという。

 

このような意味合いで、「モノローグ」と「ダイアローグ」あるいは、「他者」「対話」という言葉が使われている。(粗い説明ですがこんな感じ)

 

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