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『バフチンとウィトゲンシュタイン』(柄谷行人著『言葉と悲劇』所収) 100年前の大転換

1984年11月早稲田大学での講演。

 

免疫の問題、数学の問題、言語の問題、など興味深い。

 

経済学の話で岩井克人氏の「不均衡理論」についての話もおもしろい。

古典派・新古典派の経済学はどちらも、まず「均衡システム」というものを考え、その中で、なぜ均衡が達成できないのかを考える。そしてそれは何らかの「邪魔物」があるからだと考える。

この「邪魔物」をなくせば、「均衡システム」は「正常に」作動する、と考える。

「一般的な」マルクス主義も、同様に、「邪魔物」がなくなれば、「均衡」すると考える。

 

岩井克人氏は、その「邪魔物」を取り去ってしまったら、どうなるのか、それを数学的に調べた。(シュミレーション?どのような手続きによる証明なのかはここでは述べられていない)

結果は、「不均衡累積効果」というものによって、システムが壊滅してしまう、というものだった。

「邪魔物」だと思われたものを取り去ることによって、システムが逆に壊滅してしまう、という。

「邪魔物」だと思われたものが実は、システムを支えていた。

 

この話は経済学だけの話ではなく、免疫、数学、言語の問題とつながっている。

 

ちなみに免疫学においては、20世紀前後(つまり100年ほど前)に、このような「邪魔物を排除すればいい」という考え方からの転換があった、とのこと。(なおこの頃、数学、言語の領域でも、同様の転換があった。)

 

 

ここで思い出すのは、「抵抗勢力」という言葉だ。

小泉純一郎総理の時、「郵政民営化」が強行されたが、民営化に反対する「邪魔物」は「抵抗勢力」と呼ばれた。 

 

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