ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

いろいろ書きます。 メルマガ「偉人列伝」もどうぞ。 ご登録はこちらから。 → http://www.mag2.com/m/0001682071.html

『哲学の起源』(柄谷行人著)。イソノミア(無支配)は、実在した。

プラトンの思想が、ソクラテスの考え方と、ここまで乖離しているとは!

愕然とする。

 

ソクラテスは、公的なものが私的なものに優越するという考え(アテネ的な二重世界)を拒否した。

ソクラテスは、精神的なものが物質的なものに優越するという考え(ピタゴラス的な二重世界)を拒否した。

 

プラトンは、その膨大な著作の中で、ソクラテスの考えを逆立ちさせた。

プラトンの有名な「哲人王」の考えと「イデア論」である。

 

プラトンは、ソクラテスの弟子ではあった。

しかし後継者であると言うべきではない。

プラトンは、ピタゴラスの後継者だ。

プラトンは、アテネ的な二重世界を前提として、ピタゴラス的な二重世界を発展させた。

 

― 

 

かつて、遠い昔、イオニアにあったイソノミア(無支配)というものを私たちは、なんとなく、想像できる。

柄谷氏がそれを描いてみせているから、ということもある。

実際、イソノミアは、たとえばアイスランドに存在した。

アメリカにもわずかな期間、存在した。

ほかにもいくつか例示されている。

 

しかしなぜ私たちがイソノミアをイメージし、憧れることができるのかと言えば、おそらく、私たちはイソノミア(無支配)を、わずかな期間、わずかな時であれ、経験しているからだ。

記憶の底にそれは埋もれている。