ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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故・江藤淳氏の本を開いた(1)

日頃の不摂生がたたって軽い喘息になってしまった。呼吸の苦しさはいつもの通りだが、タバコを控えてよく休めば良くなるとわかっているので、子どもの頃ほどの苦しさはない。


久しぶりに故・江藤淳氏の本を開いた。
タイトルは、『小林秀雄』。
その本は、批評家の小林秀雄の評伝(伝記)だが、いわゆる伝記よりも批評文といった方がいいと思う。
だから気軽に読める伝記とは違って難しいが、久しぶりに読んでみて、なにか心が和んだ。
江藤氏は、夏目漱石の批評でデビューした人だが、その後の夏目漱石研究だけでなく、憲法の成立過程を研究し、広く一般にその成果を問いかけた人としても稀有な人だ。
私は、氏の『小林秀雄』を開き、まえがきを読んだ。
そうして惹きこまれた。


氏の文章には、品格がある。
品格というと語弊があるのはわかっているが、しかしそこには、品位、優美といった文学的なものだけでなく、格とした強固なものがあるのだ。
江藤氏の文章には、甘美なものを感じさせつつ同時に強靭な精神を喚起するようなものがある。
江藤氏は、一九四五年の敗戦の年、十三歳の「軍国少年」だった。
大日本帝国の「軍国少年」だった。


現代日本では、「大日本帝国」とか「軍国少年」という言葉は、否定的な響きが圧倒的だろうが、しかしかつて大日本帝国には、現代人には想像もできないほどの「品格」をもった人たちがいて、かつ、そのような「品格」をもった軍人もいたのだ。そしてそのような「品格」ある作家、批評家もいた。


大江健三郎は、敗戦の年、十歳の「軍国少年」だった。(続く)



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