ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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夏目漱石の作品に『虞美人草』というのがある。『坊ちゃん』や『吾輩は猫である』『こころ』にくらべてマイナーではあるが、大変に良い作品です。


新潮文庫の作品紹介(裏表紙)には、こんな風に書かれている。

≪豊かな詩才にめぐまれ、傲慢で虚栄心の強い美しい女性藤尾は、その濃艶な魅力で温厚な秀才小野の心を惹きつける。小野はやがて藤尾の遊戯的な愛に気付き、古風でもの哀れな恩師の娘小夜子と結婚する。小野の裏切りにより、ついにすべてを失った藤尾の破局に向かう悽愴な姿を通して、道義の中に人間の真の生を追究し、現代人の心をも激しくゆさぶる問題作である。≫

夏目漱石の作品には、大別して、「明るい」作品と「暗い」作品とがある。概して、明るい作品は口語が多用されていて、暗い作品では漢語が多用されている。『虞美人草』は、七割がた「暗い作品」と言っていいと思う。七割くらい、重く暗く難しい。漢語が多用されていて、漢学博識が散りばめてあるから、絢爛である。

話の筋とはあまり関係のない、美しく輝く文章を、また読みたくなったので、そのあたりを書きたいと思います。(『虞美人草』は、あおぞら文庫で無料で全文読めます。)

江藤淳氏の膨大な「漱石論」も何度も読みたくなるもので、折に触れて、参照したいと思います。

虞美人草』の結末は、こうです。

≪「ここでは喜劇ばかり流行る」≫

 

ちなみに、「ここ」というのはロンドンです。

 

※引用文は、≪≫で示し、旧字や難読漢字など、一部表記を改めて引用します。

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