ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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故・江藤淳氏の本を開いた。『昭和の文人』新潮文庫。「一身にして二世を経るが如く一人(いちにん)にして両身あるが如し」

故・江藤淳氏の『昭和の文人』という本を久々に開いた。


平成元年に、この本が世に出た。(文庫は平成12年だった。)


平成の終わりに読んでも、福沢諭吉の言葉と江藤淳氏の言葉が、心に響く。


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江藤淳氏は、敗戦後の、米占領軍による「検閲研究」の大家である。


この『昭和の文人』は、その巧妙な検閲によって、日本人の精神がいかに変容させられたかが、「文芸批評」という形で、書かれている。


検閲と自己検閲と、自己検閲の自己増殖…。


中野重治という1902年生まれの作家の、小説や詩が多々引用されているが、中野重治も気骨がある人だ。


中野重治は、1945年の敗戦の年、43歳だった。真っ当だった言語空間が、敗戦によって、敗戦後の米占領軍の検閲によって、どのように歪められたかを、知っていた。


だからその歪みを小説で描いた。

私的に、詩的に、文学的に。


読めば、歪んだ日本の時空間が未だに歪んでいる、ということに気がつく。


根っこは、文明開化にある。


欧米の「文明」がどれほどのものだったのか、それが判明するのは、さして遠い未来ではない。


敗亡の民。その慟哭が聞こえる。


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