ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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小林秀雄著『西行』を読んだ。「いかにかすべき我が心」

 

 

心なき

身にもあわれは

知られけり

鴫立つ沢の

秋の夕暮れ

 

 

こころなき

みにもあわれは

しられけり

しぎたつさわの

あきのゆうぐれ

 

 

 

小林秀雄は、評伝(伝記)も多く書いた。

最も長いものはおそらく「本居宣長」だろう。

短いものはとても短いのだが、私はそのひとつ「西行」を読んで、再び深い感銘を受けた。何度読んだかわからない。

 

 

論壇、というものがある。論壇とは、言論界・出版業界の大御所の集う場所、といったような意味だと思う。

西行が生きた十二世紀にも、歌壇というものがあった。

 

西行は、若い頃から有名な歌人だったが、歌論というようなものを残さなかった。

しかし「和歌はうるわしく詠むべきなり。古今集の風体をもととして読むべし」というような事を述べたと伝えられている。(小林)

小林秀雄はこの西行の歌論めいた発言について、次のように書いている。

以下引用。(一部旧字や漢字を読みやすく改めました)

 

《当時の歌の風体にしたがって、ことさらに異をたてず、しかも、無理なくこれを抜け出している彼の歌の姿は、当時の歌壇に対するこの歌人の口外するには少々大き過ぎた内心の侮蔑と無関心とを自ら語っているように見える。》P206

 

 

西行は、北面の武士だったが、出家した。(俗名:佐藤義清のりきよ、23歳で出家)

なぜ西行は出家したのか。

それはわからない。

小林秀雄はこの短い評伝「西行」の中で、西行が詠んだ多くの歌を引用している。

とてもいい歌だ。

 

 

 

ましてまして悟る思いはほかならじ

吾が嘆きをばわれ知るなれば

 

 

まどひきてさとりうべくもなかりつる

心を知るは心なりけり

 

 

いとほしやさらに心のをささびて

たまぎれらるる戀もするかな

 

 

心から心に物を思はせて

身を苦しむる我身なりけり

 

 

うき世をばあらればあるにまかせつつ

心よいたくものな思いそ

 

 

 

 

西行は、「地獄絵を見て」と題して、連作を詠んだという。その一首を小林秀雄は紹介している。

 

 

見るも憂しいかにかすべき我心

かかる報いの罪やありける

 

 

 

 

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