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新刊・話題の本『高畠素之の亡霊』佐藤優著。「現在の危機的状況から抜け出すために、佐藤優があえて呼び起こす、劇薬的知性!」(本書の帯より)

新刊・話題の本『高畠素之の亡霊―ある国家社会主義者の危険な思想』(佐藤優著、新潮選書)

 

佐藤優氏の新刊『高畠素之の亡霊』を読み始めた。この本の帯(表)には、次のように書いてある。

 

《『資本論』を三たび翻訳した男は、なぜ「ファシズム」へと走ったのか?》

《現在の危機的状況から抜け出すために、佐藤優があえて呼び起こす、劇薬的知性!》

 

また裏のほうの帯には、「まえがき」からの引用文がある。

 

《当事者が自覚を欠いたまま、日本の国家と社会の構造がソフトファシズムに転換していく危険がある。この危険を避けるためには、土着のファシストである高畠素之の亡霊を、今、ここで呼び出し、国家社会主義という危険な思想に対する耐性をつけておく必要がある。性悪な人間を規制するのに性悪な国家を利用する、つまり「悪によって悪を克服する」という思想の間違いに、われわれは気付かなくてはならない。》

 

  佐藤優氏の著書に親しむようになって、十年が経つ。あっという間の十年だった。この十年間で手に入れた佐藤氏の著書の何冊かは何度も読み、抜粋を作ったりもした。赤ペンでポイントに線を引き、付箋をつけたり、書き込みをしたりしてきた。


 この『高畠素之の亡霊』という新刊本も、そのように読もうと思う。三回は繰り返して読む。

 上の引用にもあります。「当事者が自覚を欠いたまま、日本の国家と社会の構造がソフトファシズムに転換していく危険がある。」

 知らず知らずのうちに、「ソフトファシズム」を私たち自身が招き寄せてしまう可能性がある。


  ソフトファシズムとは何だろうか?ソフト、とはいえ、ファシズムであることに変わりはない。では、ファシズムとは?


佐藤氏は昨年、『ファシズムの正体』という新書(インターナショナル新書、集英社)を出しました。そこには、こう書かれている。

 

《本来のファシズムとは、(中略)。それは一言でいえば、失業・貧困・格差などの社会問題を、国家が社会に介入することによって解決することを目指すものでした。》(P10)

 

  かつてイタリアおよび周辺国を第二次世界大戦の惨禍に陥れたファシズムとは、様々な社会問題を、「国家が社会に介入することによって」、解決することを目指すものだった。目指したのです。しかし成功しなかった。解決できるはずだった。しかしできなかった。逆にイタリア国民および世界は、塗炭の苦しみをなめることになった。


  どうにかして、イタリアを良い国にしたい、失業や貧困、格差を是正したい、そのような情熱を持って、ファシズムは、現れた。

  

  絶対に解決してやろうと、そのためにはわが命さえ差し出そう、それくらいの気概をもった人々だった。だが、結果は、惨憺たるものだった。


  ファシズムとは、いったい何だったのか。今は、日本においても、ファシズムが甦る可能性がある。その危機に瀕している。どうもそのようだ。


 佐藤氏の『高畠素之の亡霊』および『ファシズムの正体』を読み込んで、今、目の前にあるファシズムの本質をつかみたいと思う。




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