ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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🌈有王について。

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平家物語を読んでいる。尾崎士郎氏の『現代語訳 平家物語』(岩波現代文庫)も手に入れたので、今はそちらでざっと「有王」に関連のある部分を読んでいる。この「現代語訳」と原文を比較してみると、原文のすべてが「現代語訳」されているのではないことがわかる。原文の大意をつかんで大まかに訳していくことを「超訳」というが、その「超訳」ほどではないが、部分的に省略もあって原文より短いものになっている。しかし話の筋に支障はないし、読みやすくもあるので、重宝している。原文を読むより気楽に読める。
 
 ちょっと書きたくなったのは、さっき、「有王」についてネット辞書で調べてみたら、面白いことが書いてあったからだ。

 

 「有王」というのは、俊寛という高位の僧の下僕だった青年(少年?)の名だ。俊寛は、平家討伐の謀議をなしたために、鬼界が島(硫黄島)へ流罪になった人だ。その俊寛を、遠路はるばる、京の都から、鬼界が島へ、危険を冒して訪ねたのが、有王だ。
 

  私は、この有王という人物がどんな人だったのかを、平家物語の中から読み取ろうとしたが、あまり情報がない。唐突に、有王、という人物が登場するのだ。そして一度登場した有王は、以後、二度と登場しない。そしてそもそも、なぜ、下僕の名前が、「有王」なのだろうかと、それが疑問だった。

 

 ネット辞典(「コトバンク」)に面白い話があった。

 

≪(前略)有王は俊寛の妄執を解き、地獄の苦しみから救う役割を果たすが、柳田国男が有王を称する語り手が諸国で俊寛の悲劇を語り歩き、それが源平の物語に吸収されていったとする説を発表して以来、説話伝承、説話管理の問題や『平家物語』の成立の問題などの論争を巻き起こしている。櫻井陽子≫(朝日日本歴史人物事典)

 

 

≪(前略)柳田国男は、有王の名が、特定の一人物の固有名詞というよりは、一群の高野聖(こうやひじり)たちの通り名だったと考えている。〈有〉はミアレ(神の誕生)のアレに同じで、有王とは神子を意味し、亡魂の消息をかたる語り手の通り名にふさわしい。≫(世界大百科事典第二版)
 

 

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