ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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「否応もなく『人生経験』が反映するのだ」。山崎行太郎先生のブログ「毒蛇山荘日記」を読んでいて思ったこと。

私は山崎行太郎先生のブログや著書を熱心に読んでいる。山崎先生のブログ「毒蛇山荘日記」は、10年近く、欠かさず読んでいる。山崎先生は書いておられる。《史料や文献の解読に、「人生経験」が必要か不要かではなく、否応もなく「人生経験」が反映するのだ…

メルマガ「偉人列伝」三月下旬号(号外)、本日配信しました。

メルマガ「偉人列伝」3月下旬号(20190330号)配信しました。ー江藤淳氏の名著『荷風散策ー紅茶のあとさき』を読んでいます。実にゆっくりと。面白い本を、これほどのんびりゆっくり読んでいるのは、初めてのことです。第2章にあたる「『つゆのあとさき』の驟…

江藤淳著『荷風散策ー紅茶のあとさき』新潮文庫

江藤淳氏のこの本を読み始めようと思う。「荷風」というのは、作家・永井荷風のこと。解説によると永井荷風は、1959年に満八十才で亡くなった。ということは、1879年生まれということかな。夏目漱石が生まれたのが1867年だから、12才しか違わない。永井荷風…

メールマガジン「偉人列伝」3月号、配信しました。

メルマガ「偉人列伝」3月号(20190317号)配信しました。引き続き、江藤淳氏の名著『一族再会』です。____メールマガジン「偉人列伝」、ご登録はこちらから。→http://www.mag2.com/m/0001682071.html____ブログ「偉人列伝」→ http://akisaburo.hatenad…

メルマガ「偉人列伝」本日、配信しました。

メルマガ「偉人列伝」(20190304号)、本日配信しました。江藤淳氏の名著『一族再会』を頼りに、幕末、明治維新、文明開化について考えています。遠い昔の話ではなく、今に通じる話です。『一族再会』、とてもいい本です。江藤氏は、『一族再会』の続編(第二部…

本日、「メルマガ「偉人列伝」2月号、配信しました。江藤淳氏の本は、とてもいいです。

「偉人列伝」2月号、本日配信しました。今号は、江藤淳氏の『妻と私』『昭和の文人』を中心に書きました。わずかな時間の読書ですが、江藤氏の本で、とても贅沢な、幸福な時間を過ごしています。____メールマガジン「偉人列伝」、ご登録はこちらから。→h…

故・江藤淳氏の『昭和の文人』という本を読んでいる。「むかし豪傑というものがいた」。

私が「詩や短歌、俳句も面白いなあ」と思うようになったは、小林秀雄や江藤淳、吉本隆明、山崎行太郎先生といった、文藝評論家の諸先生方の作品に接するようになってからだ。 詩や短歌、俳句も日本の伝統的な文藝である。 現在までに膨大な数の作品が生まれ…

故・江藤淳氏の本を開いた。『昭和の文人』新潮文庫。「一身にして二世を経るが如く一人(いちにん)にして両身あるが如し」

故・江藤淳氏の『昭和の文人』という本を久々に開いた。平成元年に、この本が世に出た。(文庫は平成12年だった。)平成の終わりに読んでも、福沢諭吉の言葉と江藤淳氏の言葉が、心に響く。_江藤淳氏は、敗戦後の、米占領軍による「検閲研究」の大家である。こ…

故・江藤淳氏の名作『妻と私』を読んだ。『アメリカと私』という「留学ドキュメンタリー」的な作品にも、江藤氏の奥様が少し登場していた。

江藤淳氏の『妻と私』を読んだ。江藤氏の奥様が末期の癌に。江藤氏は、告知しないことに決めた。江藤淳氏の「看護日記」風のエッセイ。あるいは私小説とも言えると思う。奥様の最期を看取り、通夜や葬儀、告別式など、江藤氏は喪主としての勤めを果たす。果…

(6月の記事を再掲。若干の追記あり)。佐藤優著『高畠素之の亡霊ーある国家社会主義者の危険な思想』

佐藤優著『高畠素之の亡霊』(新潮選書)を一通り読み終えた。おもしろい。高畠の徹底した「性悪説」は、衝撃的だ。「性善説」にしろ「性悪説」にしろ、どちらもなんとなく知っているような気になっていたが、高畠の(佐藤氏の)「性悪説」は徹底している。…

メルマガ「偉人列伝」、1月号、本日配信しました。

本日、メルマガ「偉人列伝」1月号、配信しました。____メールマガジン「偉人列伝」、ご登録はこちらから。→http://www.mag2.com/m/0001682071.html____ブログ「偉人列伝」→ http://akisaburo.hatenadiary.jp

新刊・話題の本。佐藤優著『高畠素之の亡霊―ある国家社会主義者の危険な思想』(新潮選書)。 ≪「悪によって悪を克服する」という思想の間違いに、われわれは気づかなくてはならない。≫(まえがきより)。写真は、「今、大学を目指している君へ」という題の、 馬渕清資氏からの「手紙」。(中日新聞2019年1月18日に掲載。)

この本は、戦前の日本で多大な影響力のあった高畠素之(1886年~1928年)という思想家を検討、吟味し、批判する書物です。 私はこの本を、佐藤氏の著書『悪の正体』『官僚階級論』に続く、「第三部」の書物として読みました。 昨年初夏に通読しましたが、今…

🌅贈る言葉。「矛盾にぶつからない思考が合理的なのではない。矛盾にぶつかることを恐れない思考が合理的なのである。つまり矛盾に直面しない思考とは、中途半端な思考であり、いわば矛盾することを恐れて、問題を回避した思考なのだ。しかし人は…」

山崎行太郎先生の著書『小林秀雄とベルクソン』(彩光社)の冒頭です。 フランスの哲学者・アンリ・ベルクソンには、『創造的進化』という著書があります。(ベルクソンは、1927年に「ノーベル文学賞」を受賞した人で、その著書『創造的進化』は、世界中で…

🌅あけましておめでとうございます

映画『遥かなる勝利へ』を見た。

ニキータ・ミカルコフ監督作品。三部作の最終作。『戦火のナージャ』『太陽に灼かれて』に続く最終話。これは見た方がいい。戦争映画だが、「勇気」と「愛」と「忍耐」があり過ぎる。テーマは、「頑張るお父さんの夢」かな。

映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー』。この映画も中年男が主人公だ。

最近のアメリカ映画は、なんか切羽詰まっている感じ満載だ、と思っていたが、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』という映画は、意外に良かった。マンチェスター、というからイギリス映画かなと思ったら、そうではなかった。マンチェスター・バイ・ザ・シー…

メルマガ「偉人列伝」12月号番外編、本日配信しました。

メルマガ「偉人列伝」12月号番外編、配信しました。今回のテーマは、「信念」、「転向」、あるいは、「棄教」です。ー柄谷行人氏の「江藤淳論」を読んで、江藤淳氏の作品をまた読みたくなりました。ーいくつか映画を見ました。そのひとつは、遠藤周作原作の…

テーマは、「初老」について。 本日、メルマガ「偉人列伝」12月号、配信しました。

夏目漱石の『現代日本の開花』やヘミングウェイの小説『老人と海』、映画『クロッシング』などについて書きました。 ____メールマガジン「偉人列伝」、ご登録はこちらから。→http://www.mag2.com/m/0001682071.html____ブログ「偉人列伝」→ http://…

江藤淳氏と吉本隆明氏との対談集を読んでいる。 1982年の対談「現代文学の倫理」が面白い。 この対談の主要なテーマは、「現憲法(現在の日本国憲法)の成立過程とその隠ぺいによる戦後日本」といっていいと思う。

江藤氏が憲法に関する研究をしていて、雑誌や本の執筆という形で発表しておられたので、そうした本について、吉本氏が「質問」して、それに江藤氏が応える、といった流れが対談の前半部分。(あるいは4分の3くらい) 吉本隆明という人は、とても恐ろしい人…

メールマガジン「偉人列伝」11月号、本日配信しました。

本日、メールマガジン「偉人列伝」11月号を配信しました。今号のテーマは、「若い文化」(江藤淳)といっていいかもしれない。むろんそれは「若者の文化」のことではない。「日本の文化」のことだ。明治維新以降、大量に欧米の文物が日本に輸入されたが、欧米…

私は山崎行太郎先生のブログ「毒蛇山荘日記」を毎日楽しみにしている。面白いしためになるからだ。

最近の山崎行太郎先生のブログのテーマは、「LGBT騒動」と「『新潮45』廃刊事件」だ。 杉田議員の「暴言」(「生産性がない」)を記憶している人は多いかもしれないが、その後、この問題が直接のきっかけとなって、月刊誌『新潮45』という文芸誌が廃刊になっ…

故・江藤淳氏の本を開いた(4)

故・江藤淳氏の本を開いた(4) 前回、江藤氏の著書『小林秀雄』からいくつか引用したが、それは一部をのぞいて、小林秀雄のドストエフスキー論である「悪霊について」からだった。 お読みになった方はおそらくその「野生」に驚かれたと思う。 江藤氏は、そ…

故・江藤淳氏の本を開いた(3)

江藤淳氏の著書『小林秀雄』(角川文庫)を読んでいる。 小林秀雄の文章が多く引用されている。 以下引用。 ≪思想の力は、現在あるものを、それが実生活であれ理論であれ、ともかく現在在るものを超克し、これに離別しようとするところにある≫(「文学者の思…

故・江藤淳氏の本を開いた(1)

日頃の不摂生がたたって軽い喘息になってしまった。呼吸の苦しさはいつもの通りだが、タバコを控えてよく休めば良くなるとわかっているので、子どもの頃ほどの苦しさはない。 久しぶりに故・江藤淳氏の本を開いた。タイトルは、『小林秀雄』。その本は、批評…

メールマガジン「偉人列伝」10月号、配信予約しました。21日に配信されます。今号は、未完の小説原稿を付録しました。

メールマガジン「偉人列伝」10月号、配信します。21日です。 今号では、小説原稿を付録しました。 途中で諦めた未完の小説原稿です。 以下、十月号の目次 〇小林秀雄著「西行」を読んだ感想。 〇阿部夏丸著「たにし」「鬼やんま」を読んだ感想。 〇大江健三…

『ピンチランナー調書』大江健三郎著を今読んでいる。これも凄い小説だ。講談社の「大江健三郎全小説5」の帯には、次のように書いてある。≪頭部に障害をもって生まれた子供との生の選択≫また、次のようにも書いてある。≪大江作品中、もっとも人気者の系譜≫。私は『洪水はわが魂に及び』を読んだが、そこに登場した障害のある少年とその父は、とても魅力的だった。読者に好かれて当然の少年だった。彼についてのエピソード1、あるいはエピソード2、とエピソードを延々と読みたくなる魅力があった。

『ピンチランナー調書』大江健三郎著 「ピンチランナー」ってなんだ? ピンチランナーとは、野球でヒットを打った人が走者(ランナー)になるわけだが、そのランナーが足が遅いと走者としては不適任なので、その人に代わってランナーをつとめる人だ。足が速…

阿部夏丸さんの短編小説『たにし』と『鬼やんま』を読んだ。小説集『オグリの子』に収録されている。

_ 吾妻鑑はたぶんここにあるだろう、そう思って私は本棚と物置になっている小屋に入った。 古典文学大系という古くて分厚い本だけでなく、マンガやら図鑑、絵画集のようなものまで、雑然と本棚にある。 カラーボックスにもいろいろと積まれていたりするのだ…

小林秀雄著『西行』を読んだ。「いかにかすべき我が心」

心なき 身にもあわれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ こころなき みにもあわれは しられけり しぎたつさわの あきのゆうぐれ 小林秀雄は、評伝(伝記)も多く書いた。 最も長いものはおそらく「本居宣長」だろう。 短いものはとても短いのだが、私はそ…

「小林秀雄と平家物語3」。「無常な人間と常住の自然との出会い」そして「文化」。

前回の続きです。 ― 「小林秀雄と平家物語3」 小林秀雄は、「自然」についてよく語っています。先に引用した「小宰相」のところでも、次のように書かれていました。 《とともに突然自然が目の前に現れる、常に在り、しかも彼女の一度も見た事もない様な自然…

「小林秀雄と平家物語2」

数年前に書いた原稿に若干追記しました。 ― 「小林秀雄と平家物語2」 小林秀雄は、戦後昭和二十五年に、「きけわだつみのこえ」という短いエッセイを書きました。ここで、かつての「合戦」と現代の「戦争」との、決定的な違いについて述べています。 《人間…