ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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「否応もなく『人生経験』が反映するのだ」。山崎行太郎先生のブログ「毒蛇山荘日記」を読んでいて思ったこと。

私は山崎行太郎先生のブログや著書を熱心に読んでいる。山崎先生のブログ「毒蛇山荘日記」は、10年近く、欠かさず読んでいる。


山崎先生は書いておられる。


《史料や文献の解読に、「人生経験」が必要か不要かではなく、否応もなく「人生経験」が反映するのだ。》(「毒蛇山荘日記」2019/4/15)



この、「否応もなく『人生経験』が反映するのだ」というところに、私は感銘を受ける。


人生経験というものは、良きにつけ悪しきにつけ、否応のないものだ。


史料や文献の解読だけでなく、話をすればその「声」に、絵を描けばその「筆致」に、100mを走ればその「フォーム」に、その人にしかないものが、その人の人生経験が否応もなく反映される。


どうやら呉座勇一という人は、その事が分かっていない。


佐藤優氏に自著の推薦文を書いてもらえるほどの人なのだから、前途有望な人なのだろうと思う。


だからこそ思うのだが、戦争にしろ喧嘩にしろジャンケンにしろ、勝ちと負けだけではなく、手打ち、あいこ、停戦、というものもあるのだから、話し合いをしてみてはどうだろうか?


徳川家康松平家とは縁もゆかりもない、という説もあるが、だからといって、徳川家康が偉大な人物であったことに変わりはない。神君・徳川家康の遺訓には、次のような意味の一節がある。


「勝つことばかり知って負けることを知らざれば、害その身にいたる。」



「無事長久」なんか求めてない、というのであれば、それはそれでいいのだが、前途有望らしい人だけに、惜しい気がする。






メルマガ「偉人列伝」三月下旬号(号外)、本日配信しました。

メルマガ「偉人列伝」3月下旬号(20190330号)配信しました。



江藤淳氏の名著『荷風散策ー紅茶のあとさき』を読んでいます。実にゆっくりと。


面白い本を、これほどのんびりゆっくり読んでいるのは、初めてのことです。


2章にあたる「『つゆのあとさき』の驟雨」の結末をさっき読み直してみました。


やはり、ここでも江藤氏は、「時空間の変容」を基底に置いて、書いておられる。


「時空間の変容」というのは、簡単には説明し難いものですが、「何らかのきっかけによって、それまでの時間の流れとは、全く違った風に時間が流れるようなる」といった感じでしょうか。


この場合の「きっかけ」は千差万別で、どんな「ささいな事」でもきっかけになり得るし、逆もまた同様です。


「時空間の変容」というのは、例えば、幼児の頃や小学生の頃と、成人してからを比較してみれば、わかりやすいかもしれません。


もう、かつてのようには時間は流れない。

かつて流れていた時間は、二度と流れることがなく、その記憶も、時とともに曖昧になってゆく。


「きっかけ」には、人の成長・老衰だけでなく、戦争のような人災、地震などの天災もあり得ます。そして例えば、文明開化。


文明開化以前、どのような時間が流れていたのだろうか?


あるいは、敗戦以前は?


江藤淳氏の名著『荷風散策ー紅茶のあとさき』を気ままに読みながら。



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江藤淳著『荷風散策ー紅茶のあとさき』新潮文庫

江藤淳氏のこの本を読み始めようと思う。

荷風」というのは、作家・永井荷風のこと。解説によると永井荷風は、1959年に満八十才で亡くなった。

ということは、1879年生まれということかな。

夏目漱石が生まれたのが1867年だから、12才しか違わない。

永井荷風という作家は、明治・大正・昭和、ずっと生きていた作家なんだと、今知った。


江藤淳氏は、さまざまなジャンルの本を書いた人だから、その読書の幅も実に広い。

そんな江藤氏のお気に入りの作家が、永井荷風だった、永井荷風の小説が好きだった。


「あとがき」には、次のようにあります。


《ただ私は、愛惜してやまない荷風散人の小説と随筆と日記の世界を、日和(ひより)下駄をはいて東京市中を散策した散人のひそみに倣い、心の赴くままに散歩して見たいと願ったに過ぎない。》P339


新潮文庫のカバー装画がとてもいい。

荷風散人が散策したのは、こんな「東京市」だったのかもしれない。


よく見れば、路面電車が走っている。


高層住宅の屋根に「針」がある。

これが東京?フランスかも知れない?


永井荷風にまつわるエッセイ集といった趣の本。

のんびりと読みたい。


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メールマガジン「偉人列伝」3月号、配信しました。

メルマガ「偉人列伝」3月号(20190317号)配信しました。


引き続き、江藤淳氏の名著『一族再会』です。



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メルマガ「偉人列伝」本日、配信しました。

メルマガ「偉人列伝」(20190304号)、本日配信しました。


江藤淳氏の名著『一族再会』を頼りに、幕末、明治維新、文明開化について考えています。


遠い昔の話ではなく、今に通じる話です。


『一族再会』、とてもいい本です。

江藤氏は、『一族再会』の続編(第二部)を書くことを期待されていたようです。たしかにもし書かれていればすぐに読みたくなるような、そんな魅力的な本です。


私見では、『妻と私』は、『一族再会』の続編です。


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本日、「メルマガ「偉人列伝」2月号、配信しました。江藤淳氏の本は、とてもいいです。

「偉人列伝」2月号、本日配信しました。


今号は、江藤淳氏の『妻と私』『昭和の文人』を中心に書きました。


わずかな時間の読書ですが、江藤氏の本で、とても贅沢な、幸福な時間を過ごしています。



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故・江藤淳氏の『昭和の文人』という本を読んでいる。「むかし豪傑というものがいた」。

私が「詩や短歌、俳句も面白いなあ」と思うようになったは、小林秀雄江藤淳吉本隆明山崎行太郎先生といった、文藝評論家の諸先生方の作品に接するようになってからだ。

詩や短歌、俳句も日本の伝統的な文藝である。

現在までに膨大な数の作品が生まれては消えて行った。

生まれては消え、そうして甦ってくる作品も多々ある。
『昭和の文人』で江藤氏が論じているのは主に、中野重治堀辰雄だ。
このお二人は、どのようにして「歪んだ時空間」を生きたのか。

中野重治氏は、作家としての作品も面白いが、その詩歌も『昭和の文人』には引用されていて、思わず引き込まれる。
たとえば、中野氏は「豪傑」というタイトルの詩(現代詩)を若い頃に書いた。それは中野氏の人生の目標のようなものだった。
以下引用

むかし豪傑というものがいた
彼は書物をよみ
嘘(うそ)をつかず
みなりを気にせず
わざを磨くために飯を食わなかった
後指をさされると腹を切った
恥ずかしい心が生じると腹を切った
かいしゃくは友達にしてもらった
彼は銭をためる代わりにためなかった
つらいという代わりに敵を殺した
恩を感じると胸のなかにたたんでおいて
あとでその人のために敵を殺した
いくらでも殺した
それからおのれも死んだ
生きのびたものはみな白髪になった
白髪はまっ白であった
しわが深く眉毛(まゆげ)がながく
そして声がまだ遠くまで聞こえた
彼は心を鍛えるために自分の心臓をふいごにした
そして種族の重いひき臼をしずかにまわし
そしてやがて死んだ
そして人は 死んだ豪傑を 天の星から見分けることできなかった

以上引用
中野重治氏の詩「豪傑」。『昭和の文人江藤淳新潮文庫P188・189からの引用)


100年近く前に書かれた現代詩だが、今読んでも実にいい。


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