ブログ「偉人列伝」(小説・批評・文芸・映画・政治・

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「人間の進歩について」など、小林秀雄を読んでいます。

新潮社の「小林秀雄全作品16」を読んでいます。

昭和23年(1948年)に発表された作品が収録されています。

「反省なんかしない」という小林秀雄の言葉は有名ですが、この「16」巻にも、似たようなニュアンスの言葉があって驚きました。

何を、どのように「反省しない」のか、なぜ「反省しない」のか?

スリリングな記述が随所にあります。

メルマガ「偉人列伝」11月号は、そのへんが中心になります。

気が向いたらご登録お願いします。

 

小林秀雄全作品16」の目次は以下の通りです。

対談/人間の進歩について 湯川秀樹小林秀雄

骨董

チェホフ

罪と罰」についてⅡ

現代文学の診断

対談/大作家論 正宗白鳥小林秀雄

小林秀雄の問題 佐古純一郎

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メールマガジン「偉人列伝」10月号、配信しました。

メールマガジン「偉人列伝」10月号を配信しました。
『ルイ・ボナパルトブリュメール18日』(カール・マルクス著)を読んでいます。

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メルマガ「偉人列伝」9月号を本日配信しました。

本日、メルマガ「偉人列伝」9月号を配信しました。


今号は、シェイクスピアの傑作『マクベス』『オセロー』について書きました。


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メルマガ「偉人列伝」8月号、配信しました。

今号は、夏目漱石の傑作小説『虞美人草』(ぐびじんそう)の後半です。



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次は『三四郎』です。大学生になりたてほやほやの「三四郎」が主人公。

夏目漱石の『三四郎』を読みはじめた。


新潮文庫の裏表紙の作品紹介には次のように書いてある。

《熊本の高等学校を卒業して、東京の大学に入学した小川三四郎は、見る物聞く物の総てが目新しい世界の中で、自由気儘な都会の女性里見美禰子(みねこ)に出会い、彼女に強く惹かれてゆく…。青春の一時期において誰もが経験する、学問、友情、恋愛への不安や戸惑いを、三四郎の恋愛から失恋に至る過程の中に描いて「それから」「門」に続く三部作の序曲をなす作品である。》

 

三四郎は、東京の大学に入学する。

大学生活が描かれる。

三四郎は失恋する。

三四郎が、迷羊迷羊(ストレイ シープ、ストレイ シープ)と口の中だけで繰り返して、この物語は終わる。

 

「解説」は柄谷行人。パラっと読んでみたが、どうも硬すぎる感じが否めない。

江藤淳は『漱石とその時代』で『三四郎』をどんな風に書いていたかなと考えてみたが、思い出せない。

慌てて読むのもおもしろいが、こうしてのんびりと読むのもいいものです。

漱石とその時代』はおもしろかった。今度はのんびり読みたい。



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漱石の『虞美人草』。つづきは、メルマガ「偉人列伝」八月号で配信します。ちなみに、『虞美人草』の圧倒的な結末ののち、「甲野さん」の親友「宗近君」は、仕事でロンドンへ行ってしまいます。当面の間、帰ってきそうにない。そして漱石の作品では、以後、「宗近君」のような人物は二度と登場しない。

東京で博覧会が開催されていた。
京都から、小野さんを頼って引っ越してきた孤堂先生とその娘小夜子は、小野さんに、博覧会を案内してもらった。凄い雑踏である。足の踏み場もない。ただ押されるばかりである。孤堂先生は危うく転倒しそうになりながらも何とか、先に待つ小野さんに追いついた。

 

≪「どうも怖ろしい人だね」と追い付いた孤堂先生がいう。怖ろしいとは、本当に怖ろしい意味でかつ普通に怖ろしい意味である。
「随分出ます」
「早く家へ帰りたくなった。どうも怖ろしい人だ。どこからこんなに出て来るかね」
小野さんはにやにやと笑った。蜘蛛(くも)の子のように暗い森を蔽うていたる文明の民はみな自分の同類である。
「さすが東京だね。まさか、こんなじゃ無かろうと思っていた。怖ろしい所だ」
数(すう)は勢いである。勢いを生む所は怖ろしい。一坪に足らぬ腐れた水でもおたまじゃくしのうじょうじょ湧く所は怖ろしい。いわんや高等なる文明のおたまじゃくしを苦もなくひり出す東京が怖ろしいのは無論である。小野さんは又にやにやと笑った。
「小夜や、どうだい。あぶない、もう少しではぐれるところだった。京都じゃこんな事はないね。」
「あの橋を通る時は…どうしようかと思いましたわ。だって怖くって…」
「もう大丈夫だ。何だか顔色が悪いようだね。くたびれたかい」
「少し心持が…」
「悪い?歩きつけないのを無理に歩いたせいだよ。それにこの人出じゃあ。どっかでちょいと休もう。小野、どっか休む所があるだろう、小夜が心持がよくないそうだから」
「そうですか、そこへ出るとたくさん茶屋がありますから」
と小野さんは又先へ立って行く。≫

 

小野さんは、再び、先に行ってしまう。
小夜子の顔色が悪いのは、歩き疲れたからだけではない。小野さんが変わってしまったからだ。
そして、運命が…。

 

≪運命は丸い池を作る。池をめぐるものはどこかで落ち合わねばならぬ。落ち合って知らぬ顔で行くものは幸いである。人の海の湧きかえる薄暗いロンドンで、朝な夕なにめぐり合わんと心掛ける甲斐もなく、眼を皿に、足を棒に、尋ねあぐんだ当人は、ただ一重の壁にさえぎられて隣の家のすすけた空を眺めている。それでも逢えぬ、一生逢えぬ、骨がしゃりになって、墓に草がはえるまで逢うことができぬかも知れぬと書いた人がある。運命は一重の壁に思う人を終古に隔てるとともに、丸い池に思わぬ人をはたと行き合わせる。変なものは互いに池のまわりをまわりながら近寄ってくる。不可思議の糸の闇の世をさえ縫う。
「どうだい女連(れん)はだいぶ疲れたろう。ここでお茶でも飲むかね」と宗近君がいう。≫

 

藤尾に心を寄せている小野さんは、孤堂先生と小夜子と一緒である。
宗近君は、甲野さん、甲野さんの妹の藤尾、宗近君の妹の糸子の四人で、博覧会の見物に来ている。


二つのグループが、茶屋へ向かう…。

 

続きは、メルマガ「偉人列伝」八月号で配信します。

 

…『虞美人草』以後の作品では、甲野さんの親友「宗近君」のような人は、登場しません。「宗近君」がいなければ、甲野さんはじめ、小野さん、小夜子、糸子、みんなの人生は、厳しいものになっていたでしょう。

 

漱石は、これ以後、「宗近君」のような人物を登場させません。以後、どの作品の主人公たちも、「宗近君」の存在しない世界の中で、描かれている。

 


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漱石の傑作『虞美人草』から。「博覧会」です。

夏目漱石の『虞美人草』です。
「博覧会」で「事件」が起こります。
誰かと誰かが一緒にいた、ということを誰かが目撃します。


ところで、この博覧会というものを漱石は、長々と書いています。これはこの物語の「甲野さん」の考え方に近いのだろうと思います。

≪蟻(あり)は甘きに集まり、人は新しきに集まる。文明の民は劇烈なる生存のうちに無聊(ぶりょう)をかこつ。立ちながら三度の食に就くの忙しきに堪えて、路上に昏睡の病を憂う。生を縦横に託して、縦横に死を貪るは文明の民である。文明の民ほど自己の活動を誇るものなく、文明の民ほど自己の沈滞に苦しむものはない。文明は人の神経をかみそりに削って、人の精神をすりこぎと鈍くする。刺激に麻痺して、しかも刺激に渇くものは数(すう)を尽くして新しき博覧会に集まる。(中略)
蛾(が)は燈(とう)に集まり、人は電光に集まる。輝くものは天下をひく。金銀、しゃこ、瑪瑙(めのう)、瑠璃、閻浮檀金(えんぶだごん)、の属を挙げて、ことごとく退屈のひとみを見張らして、疲れたる頭を我破(がば)と跳ね起こさせるために光るのである。昼を短しとする文明の民の夜会には、あらわなる肌にちりばめたる宝石が独り幅を利かす。金剛石は人の心を奪うが故に人の心よりも高価である。ぬかるみに落つる星の影は、影ながら瓦よりも鮮やかに、見るものの胸にきらめく。きらめく影に踊る善男子、善女子は家を空しゅうしてイルミネーションに集まる。…≫(『虞美人草』十一)

 

ここでの博覧会についての記述は、ざっとこの倍くらい続きます。漱石は「文明論」も書いたり講演したりしていますが、それを想起させる記述です。小説なのに、文明論が織り込まれている。

 

吾輩は猫である』においても、登場人物たちの会話の中に、「これは!」と思わせるものが多々ありました。

 

 

 

 

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